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2009年7月

さくさく。

20090725
土曜、ある博物館で標本用の馬の解剖をしてきました。日本の在来種馬で、ロバみたいに小さいものでした。綺麗に表皮を保存するべく、傷を付けないように、皮膚組織と筋膜の間に医療用メスを差し入れ、剥離する作業を、昼休みを挟んでみっちり4時間。
3〜4人がかりの一斉作業でしたが、初心者は私だけで、手練の雀卓に素人が迷い込んだような状態。牌の流れを滞らせること甚だしい。力の入れ方をよくわかっていないし、画家特有の丁寧さが、ここではマイナスに作用するようだ。背後のテーブルでは手慣れた高校生が、狸をさくさくと解体している。明らかに足を引っ張っていてちょっと焦るが、本人的には没頭出来るものがあって意外に楽しいものでした。後半になってやっと、「これは掴んだかな」と思える瞬間が時折。
画像は強烈なので白黒にしていますが、余分な感情はすぐに奥に引っ込んでしまうものだった。
学芸員さんはじめ関係者の皆さん、ありがとうございました。

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東京の夜は7時(懐)。

20090723
地上35階の眺め。
東京駅は、丸の内側ドームを、崩壊以前のオリジナルに戻す工事の真っ最中。
昭和20年1945年のB-29による空襲で、3階部分を焼失。戦後の改修部分の不自然さは御存知の通り。
戦後生まれの我々には、ちょっと田舎の和風駅舎のような現状の屋根が、既に思い出や既視感として刷り込まれているので、いろいろ意見はあると思う。けど個人的にはこの改修工事には大賛成。創建当時の設計の方が、格段に美しいからだ。

食事は御まかせだったけど、美味しかった。

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眺めているのを、これまた眺めて。

20090718
先日、やっと自分が出品している展示を訪ねて来ました。
武蔵野美術大学の構内で開催中の
大学80周年記念展「絵の力 -絵の具の魔術-」です。
大学に関わった歴代画家の選抜展です。三雲先生、山口長男先生、前田常作先生、大森先生、宮田先生など、物故の方々も並びます。現役バリバリとしては、遠藤先生、丸山直文さん、小林正人さん、小林孝亘さんなどでしょうか。

私の作品はたった1点ですが、おそろしい事に最年少で、資料図書館吹き抜けに展示してあります。これを眺める人々が入れ替わり立ち替わり流れていくのを、階上キャットウォークでこれまた眺めていました(笑)。
多くの方々が、あの絵にかなりの時間をかけてくれている事に驚く。寄ったり、引いたり。
この瞬間こそ絵画が本来の力を発揮出来る数少ない機会で、他の属性は些細なことなのでしょう。

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深夜の訪問者

さっき寝ていると、カーテンレールの上から何か視線が。
寝ぼけながら確認してみる。
誰だろう。
200907171
うげげげ。
コウモリさんです。
気がついてしまうと気になるもの。
羽虫とは違って、飛び回っても静粛なものだけど、それはそれはでかくて気になる。
天井に一晩中バットマンサインっていうのもきつい。
200907172
呑気にあなた、カーテンなんかご機嫌に登っているけど、うちにはそれはそれは恐ろしいプレデターこみみさんがいるんだよ。事実、お前さんの仲間が一昨年に犠牲になっている。

狩りの時だけはイエネコも凶獣に変貌する。そのスピードたるや、昼間のぐでぐで具合が信じられない程だ。
コウモリは中国では吉祥のシンボルである。こみみさんに気づかれないように、窓から丁重に出してあげました。

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続・血まみれ美少年。

200907116月7日にアップした『競勢酔虎伝』とほぼ同じ意匠。つり下げた生首の角度まで一緒。でも描かれた人物は違います。本能寺で、信長と共に果てた森蘭丸の兄弟、力丸です。
これは彰義隊と官軍の当時の実戦「上野戦争」に材をとった月岡芳年による明治元年のシリーズ『魁題百撰相』の1枚で、実際の戦争を取材するという現場主義リアリズムの賜物。でも結果は歴史上のヒーローの耽美な死に様を描いた58枚もの連作ファンタジーです。
庶民の娯楽としては、こういうダークサイドへの憧憬は、現代と変わらないのでしょう。芳年の作品の中では白眉のシリーズ。逆まつげの(笑)美少年は死相をまとってこそ輝くのかもしれません。

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「絵の力 -絵の具の魔術-」出品情報

告知。
武蔵野美術大学80周年記念展「絵の力 -絵の具の魔術-」が始まりました。
大学創立時より現職まで、油絵学科の教育にたずさわった画家54名による作品約70点を展示し、「絵の具」そのものの表現力に関わる絵画独特の魅力をさぐり、武蔵野美術大学の歴史を辿る展示。
私は最年少!という事で、正に末席を汚させていただきます。
出品者には伝説の山口長男さんや、珍しいところでは小林正人さんなど、いろとりどり。

私の出品作は、残念ながら新作ではございません。
大野一雄 Kazuo Ohno
2007-8
1199 × 1940 mm
初公開時にはインスタレーションの性格上、距離を作りましたが、今回はグループ展ですので存分に接近出来ます(笑)。
新作は別に場を作りますので、秋までちょっと待っていて下さい。

7月9日はパネルディスカッション+レセプションですが、私は欠席。すみません。でも会期中に必ず一度は会場に出没します。

● 開催日 2009年7月8日(水) → 8月15日(土)
  08月22日(土)、23日(日)は進学相談会のため特別開館
● 美術資料図書館全館 + 2号館 gFAL、FAL
● 主催:武蔵野美術大学資料図書館 http://www.musabi.ac.jp/library/

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片喰

20090707
今日食べた、NY系の某ドーナッツ店のドーナッツが、あまりにくどいわ、オイリーでべっちゃりしているわで、がっかりでした。全部食べたら絶対太る。不味いもので太りたくなんかない。でも行列ができるらしい。店構えは雰囲気あるけど、何故流行っているのか、謎だ。

本題。
家の前にあるメーターの蓋には、土ぼこりが溜まっている。とても小さなスペースだけど、そこにはカタバミがいつの間にか生えていて、抜いても抜いても根絶やしに出来ない。
何だか主張しているようで感じるものがあり、そのまま放っておいたまま忘れていたけど、今日初めて花が咲いているのに気付きました。これはこれでかなり綺麗。1cmにも満たない大きさの、本当に小さな花です。
その生命力ゆえに、一家の存続を切実に願っていた、戦国武将の家紋デザインに多用されているそうです。

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金属フェチの心 19

20090705_2

国芳柄の豆皿の上にあるのは、某工房から提供されたイタリア製のニードルです。
これが私の夏の宿題の為のツールになるわけで。
アルミ合金製の柄はとても質感が高く、持っていて嬉しくなる。意外とこういう感覚が制作を助けてくれます。

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擬態。

20090703
玄関のライトの傍に蛾がとまっているのは、どの家にも見られる何だか汚らしくて不気味な風景だけど、接近して丁寧に見ると感想は一変します。壁面のペンキの色から、その影、地の色、全てに完璧に合った羽根の鱗粉の色相、緻密な身体のデザイン、なにをとっても美しいです。
CX-1の接写画像。

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