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2010年8月

ボーンコレクター

20100830
このところ制作がひどく忙しい。ずっとスタジオに泊まりっぱなし。雰囲気を感じ取ってか、訪れるひともいない。とても作業が遅れている。
そんな日々を縫うように、先日は国内の美術雑誌の取材でした。アトリエは脳内をそのまま反映する。現在ひどく散らかっていて到底お客さんは迎えられない。御馴染みのカルボンヌカフェさんへ行き、臨時休業のところを無理を言って開けていただいて(感謝です)2時間半のインタビューをこなしました。

海外の一般(!)メディアからの取材依頼も並行して進行。さっきやっと英訳原稿を送ったばかり。ここ数年の海外での活動の反応がじわじわ。

頭がぐるぐる。

写真はニホンツキノワグマ。10年程前の山梨県での害獣駆除で出たものだそうです。田舎の農家の素晴らしいところは、駆除した野生動物をちゃんと食べてあげるところだ。脳を食べる事を考えて、眉間を撃たずに後頭部の頸椎を破壊、解体して肉を近所で分け合ったそうです。
残った頭蓋骨は魔除けとして何年も野ざらしになっていたそうで、苔に覆われてかなりもろく風化してきているのですが、歯のエナメル質の強靭さは凄い。フレッシュな状態を保っています。

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逃避行動。

20100824
毎度御馴染み逃避行動でございます。
制作に余裕が無いときに限って余計な事をしてしまいます。
先日、某業者からラングールに属する霊長類の全身骨格標本を購入したわけですが、これがミイラというか干物に等しい代物で、制作のために1分でも惜しい時期なのに何故か、分解をして油抜き〜水で戻し〜肉削ぎ〜漂白のルーティーンワークを開始してしまいました。
頭蓋骨と頸骨、鎖骨+肩甲骨。見違えたぜ。(GR DIGITALⅢ)
これ以上は我慢我慢。
一度始めると、エアパッキンのプチプチ潰しみたいに、呪われたように繊維や腱外しをやり続けてしまいます。制作が終わったら全身を組み上げるつもり。

制作に復帰します(笑)。

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鰻。

20100816
三島にちょっとだけ滞在しました。
墓参と、夏祭りの三島大社で最高のシャギリを見るためです。

三島と言えば鰻で、名店が数々ありますが、私は割烹 登喜和 (ときわ) の「うなぎ釜めし」がお気に入りで、ほぼ10年振りに食べられて満足でした。
名古屋のひつまぶしに似た食べ方をするのですが、薄味でしつこくなく、さらりと食べられるところが良い。釜めしを半分食べたところで、ダシ汁をかけて茶漬け風に食べてみます。劇的に味の方向が変わり、美味しく最後まで食べられます。
登喜和は元々会席料理が中心の店ですが、釜飯のおかげで気軽に入れるお店に感じられます。

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神。

20100813近所に砂の大ケヤキという巨大な神木があります。交通量の多い産業道路を一本脇にそれたところに、不似合いな自然が置き忘れられているような感じで、ちいさな祠が鎮座する八雲神社境内の全体を覆うように木陰を作っています。
市の天然記念物で、樹齢約600年というから室町時代に芽が出てここまで大きくなったことになります。根の周囲は20mほどで、老木というには緑の勢いは盛んで衰えを感じさせない。

このケヤキの注連縄は毎年6月30日にとりかえられるそうで、本来自然のものが注連縄という結界をを与えられる事で、神性をおびる。
これは横綱と一緒。白鵬は力量人格ともにかなりの完成度にみえます。外人とか関係なく注連縄をまとう横綱に相応しい。とは言え日本人で白鵬に拮抗する力士が出てこないのはさびしい状況です。

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暑中お見舞い。

20100811
暦ではもう残暑見舞いかな。
このごろブログタイトルに関わらず、猫がらみのアップが無かったので、「猫は元気なの」とやたらと聞かれます。

このとおり元気です。
この子ももうかなりおばあちゃんになってきましたが、人間のそれと違い、猫はいつまでも若々しい。
湿気が多いと猫は眠くなるようです。

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Gibson B-25 1960年代製。

20100808_2急に思い立って、初めてアコギを手に入れました。
Gibson B-25。
そんなに豊かな音量が出る訳ではないけど、ソリッドギター並みに小さくって、ネックもレスポールのそれに近い感覚。ジャキジャキ、打楽器のようにカッティングするのががよさそう。
もうキュートで、愛しているぜ(笑)。

僕がいまさら、こんなもの買っても上達なんかしない。
それはわかっている。
これはそのうち、家族に手渡すつもり。きっと彼ならヴィンテージ・ギターを格好良く弾いてくれるようになると思うんです。

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張り直し。

20100805
この夏の急激な暑さで、梅雨の季節に張ってもらっていたキャンバスに弛みが出始めて、しわになってしまいました。
現在進行中の200号。ゆうに2m超え。
ここまで大きいと、熟達した職人さんでもこういうことがあります。一時作業を中断して、早いうちに張り直していただきました。GR DIGITALⅢでパチリ。結構綺麗でしょう。
嫌な顔一つせずに対応していただいて、感謝です。

このスタジオの壁には、以前ここで制作をしていた、故・磯江毅氏が塗ってしつらえていた静物を架ける為の背景パネルがあります。奥にあるのがそうです。そのうち使ってみようかな。隣は蛍光灯ヘビーユーザーである、野田弘志氏特注の巨大ライトボックス。
多分、私もここを去る時が来ますが、その時には何が残るのでしょうか。

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雑感。

ここんとこ若い衆(笑)の話題を小耳に挟むと、やたらと「契約」とか「コネ」とかいう言葉を頻繁に聞きます。不況なんですかねえ。
なんでも「コネ」がないといまの美術業界ではやっていけねえって。
どうやら本気でそう信じている様子。

それ、嘘っぱちだと思います。大体内容に優先する「コネ」ってなんだよ。

そんなことを吹き込む訳知り顔の大人がいるから始末が悪い。
確かにガツガツがっついて、うまく世の中渡っているように見える同級生がまぶしく見えたりする事はあるかもしれないし、それは狡いなあと感じる現場を目にする事だってあると思う。けど、彼らが言う「コネ」なんかだけで本気で相手にする程、ちゃんとした関係者は暇ではないと思います。

結局作品次第だと思うんです。綺麗事じゃなくって。
事実私自身、もし出会った作品がとんでもなく良かったら、作者の人当たりの悪さとか風体とか、全然どうだっていいもの。才能があれば差別しない。プレゼンする努力を普通にしていれば、放ってはおかれないはず。
すれっからしの年寄りみたいな学生になってほしくないなあ、ということです。

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