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2013年11月

拾った小さな羽虫は、実は宝石。

20131127
スタジオに埃だらけに行き倒れていた、オオセイボウの雌。寄生蜂で、スズバチやトックリバチなどを宿主とするそうです。どこかで産卵を終えて力つきたのでしょう。伸びきった毒針さながらの卵管がとても長いです。 実はとても小さくて、15mmほどでしょうか。どこまでも整合性が高く鮮やかな、ウルトラマリンブルー〜エメラルドの色彩に煌めく硬質な外骨格の美しさは、接写してみて初めてわかる。触覚の先まで隈無くおおっていて複眼までもメタリックに輝いています。

これは顔料のようにそれ固有の色がついているのではなく、構造色特有の発色で、薄い板を何層も重ねたようなキチン質の構造そのものが、光の屈折に変化を与え鮮やかに見える現象だそうです。
ですので、この構造が破壊されない限り永久不変。退色しない神聖な色彩なのです。玉虫厨子は、このような意味合いの理解で製作されているのかもしれません。
油彩画の重層構造にも少し似ているけど、昆虫の方がマクロの世界で見つめると、かなり上手です。

201311271

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千早茜さんの最新刊『眠りの庭』に装画提供。

20131118

泉鏡花賞作家にして島清恋愛文学賞の受賞ニュースが記憶に新しい、千早茜さんの最新刊『眠りの庭』に装画提供しました。
この絵は http://atsushisuwa.com の扉画像としてアップロードしたらほどなくして、使用許可の打診があったのです。あまりのタイミングの良さに何かしら感じるものがあって、使っていただくことにしたのでした。
千早さんはあがってきたサンプル本で私の絵画を観て「うつくしい、そして、ちょっと怖い。」という感想を漏らされていたようです。以前やはり女流小説家のH.K.さんにも「美しくて、おそろしい絵。」と似たような感想をいただいたことを思い出しました。私の絵は特に残酷なものを描いたりすることは意外に少ないのです。この絵もいわば「見たものを描いているだけ」ですが、私の絵にはなにか説明しにくい要素が内在していて、平穏な有様でも何故か敏感な方は怖さを感じるようです。 でも、これは嬉しい感想なのです。

装画はさておき、小説は典雅なサスペンスに仕上がっている模様。
来週末22日ぐらいから書店に並びます。

発売日:2013年11月22日
定価(税込): 1575円
ISBN 978-4-04-110612-9-C0093
デザイン:坂詰佳苗 角川書店

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金属フェチの心 59 SONY DSC-RX100

20131113
僕は旅が多い。あちこち移動しているのだけど、旅カメラは今年に入って SONY DSC-RX100です。ここ数年ずっと RICOH贔屓だったのですが、これはとても優秀すぎで、思わずなびいてしまいました w。

コンデジと考えると高めだけど、T-star F1.8レンズに価値を感じれば安い。1眼に迫る高精度な画像が、さほど苦労せずバシャバシャ撮れるのは脅威です。接写性能以外は特に弱点が見つからない。ハードな旅に付き合わせてものすごく荒っぽくあつかっても、丈夫。ケースも買わずにリュックに放り込んで乱暴に使っていますが、角の塗装擦れは、往年のライカの軍艦部みたいと思えない事もない w。その硬質なデザインは経年変化を風情に見せてくれて、イイ。
SONY といえば、コンパクトさと凝縮された性能の両立。このところの SONY製映像機器の充実ぶりは、ミノルタの遺産が生きてきたのでしょうか、かつて纏っていたカリカリした先鋭の空気を取り戻したかのようで…α7、α7Rも期待大なのです。

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なかなか結論のだせない絵。

20121127
なかなか結論のだせない絵というのが、たまにできてしまう。去年〜今年は何故か多かった気がします。下絵状態に戻してしまったこれは、もうかれこれ1年がかりになってしまっている。単なる人間の顔面に過ぎないのに、いったい何をぐずぐず考えなければならないのだろう。


20121223
つまるところ、僕が目指しているのは紀元前の残骸である、このようなものであるかもしれない。そう。みんなが飽き飽きしてしまったもの。
日々いろんなことが起こり、その度に美術家が言及するべきものについて散々語られるけど、移り変わるトピックに駆けつける気持ちは薄い。当事者になったときに、初めて扱えるものを描きたい。

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