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2014年11月

金属フェチの心 66 満田晴穂さんの自在置物。

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金属フェチの心 と銘打っている以上、いずれ話題にすると予想された方もいるでしょう。明治期の超絶技巧を再評価するような、この動向の先駆にして渦中にいる、満田晴穂さんを紹介します。自在置物とは、幕末に行き場を失った武具や甲冑師の技術が奇形的に発達した末に出来た、輸出工芸品の呼び名です。それを現代美術のフィールドで展開したのは、レントゲンヴェルケの池内務さんの慧眼であったと思います。
私とは、企画展「功術」の起ち上げに関わって行った中で(現在は離れています。)、池内務さんに、彼を御紹介いただいた経緯があります。六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウトでの出品作が話題を呼んだので、御存知の方も多いと思いでしょう。とんでもない精度で、美術愛好者のみならず、昆虫マニアの注目も集めています。上は、自在置物腹広蟷螂(ハラビロカマキリ)。

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26日、広島市立大学まで、金工の永見教授の招聘で、特別講義にいらっしゃいました。
自在置物の実物を公開する瞬間。実物大の金属製立体造形。信じられない精度に教室の温度が上がった瞬間です。驚嘆の声に包まれました。学生には実際に触る事も許されましたが、ここまで繊細なものなのに、意外な耐久性をもった、丈夫なものでした。

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講義終了後、僕のスタジオ 641LABO.に遊びに来てくれました。ゼミ生とスタッフに、自在置物フナムシ(笑)を手渡す瞬間。授業では未公開だった、ミヤマクワガタも。

気色悪い、おそらくは嫌われ生物の代表格であるフナムシも、金属に置き換わってしまうと、その嫌悪感が浄化されてしまう。女性も何の抵抗も無く驚きをもって手を伸ばしています。

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フナムシを裏返すと、おぞましい程の再現。ここまでくると、それがどんなに苦手な生物でも、問答無用に感動してしまう。この極細の足の全てがリアルサイズで、完璧に動くのです。その滑らかさに、また驚嘆させられてしまうわけです。芸術作品の圧力というものは、小さな精度にも宿るんだと、みんなが思い知った日でした。

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このごろ

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新アトリエの建設が、3年がかりでやっと形になってきて、先日コンクリートの打設が完了しました。
僕がこの土地でいつまで制作ができるかわからないけれど、RC造とあって、ちょっとやそっとでは壊れそうもないものが出来上がる予定なので、アトリエとしての用途を果たしたら、個人美術館的なビューイングルームとしても転用できないか、考えています。

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先日新設なった、現代アートの若手発掘コンペ、テラダ・アート・アウォードの審査をしてきました。そのために汐留に泊まりましたが、窓からの風景が異様でした。見渡す限り、人の意図で作ったものしか見えない世界。端的に言えば、自然が全く存在しない風景。不自然とは文字通りこのこと。
コンクールの審査というものは、実はとても辛かった。それぞれの断片だけを提示されていて、そこから様々な想像と、更に調査もしなければ判断に自信が持てなかったから。粗よりは他人に御願いしなかったので、1次審査だけで、3日徹夜しました。
明後日、グランプリ(500万円!)と、個人賞のプレゼンターをやってきます。特別審査員として、スマイレージというアイドルグループの、和田さんという方が加わった模様です。


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